中島らもの今日の天使の話
今日、帰る途中の駅で、前を歩いていた若い女性が白い定期入れを落としました。
すぐに「あのー、すみません」と声を
掛けると女性は振り向いて、落としたことに気付き咄嗟に「有難う御座います」と笑顔で言い定期入れを受け取って、改札に向かっていきました。
その中の「 暗い気持ちになって、冗談にでも、“今、自殺したら”などと考えているときに、とんでもない知人から電話がかかってくる、あるいは、ふと開いた画集か何かの一葉の絵によって救われるようなことが。それは、その日の天使なのである。」
という話があります。
有難う御座いますと言われた時、何故だか
不思議と救われた気がしました。
息をしてもいいと言われた気がしました。
私にとって、定期入れを拾ってあげたその女性は今日の天使でした。
そんな日もありますよね。